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「韓」察眼~現地日本人記者が見つめる韓国社会〜 Vol.05

通貨危機から20年 「第2の危機」はあるのか?<上>

「IMF優等生」で債権国に脱皮 「一本足」の経済構造には危うさ

text by 早田亮

韓国が国際通貨基金(IMF)の管理下に入ったのは今からちょうど20年前の1997年12月。韓国の経済と社会に大きな変化をもたらしたことから、韓国では一般に「IMF危機」と呼ばれる。通貨危機を「朴正煕(パク・チョンヒ)大統領(当時)が主導した開発独裁による高度経済成長『漢江の奇跡』に次ぐ第2のパラダイムチェンジとなった」と位置付ける見方も多い。第2の通貨危機が到来する可能性はあるのか。2回にわたり検証していきたい。

IMF危機の直接的な原因は、韓国企業による外貨建ての短期債務が過剰に拡大したことと、韓国国内の外貨不足とされる。90年代に入ってからの民主化に合わせて金融市場の自由化が進む中、大手財閥企業は海外から低コストで資金調達できるようになり、繊維をはじめ鉄鋼、造船、自動車、半導体と、たこ足的に事業を拡大した。しかし韓国企業の内実は過剰な借り入れによる自転車操業だった。

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