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官民共同で若者への結婚支援を

若者に浸透しつつある「恋愛結婚」とは違う価値観


今月推計人口が公表され、急激な少子高齢化がこの先も続き、誰も経験したことのない超高齢化社会の到来が改めて浮き彫りになりました。

わが国の急激な人口減少は、若者の非婚化・晩婚化によるものです。国立社会保障・人口問題研究所の調査(2017年4月公表)によれば、「生涯未婚率」(50歳までに一度も結婚したことのない人)は男性23・27%、女性14・07%と過去最高を更新。何と、現在男性の4人に1人、女性の7人に1人が生涯未婚となっているのです。

未婚男女の90%近くは、「いずれ結婚するつもり」としています(第15回出生動向基本調査=2015年)。一方で、未婚で恋人のいない20代男女の約40%が「恋人は欲しくない」、約45%が「恋愛は面倒くさい」とも答えています(少子化社会対策白書=2015年)。今の若者の多くは「結婚したい」という願望はあっても、必ずしも「恋愛したい」わけではないのです。

恋愛には多くの時間と経費、労力がかかります。それでも満足のいく結果(結婚)が得られる保証はありません。現実主義の今の若者にとって、「恋愛結婚」はコスパ(コストパフォーマンス=費用対効果)が悪いと映っています。

(株)パートナーエージェントの調査によれば、出会ってすぐ結婚する「いきなり婚」希望者が、若者の間に増えつつあるそうです。ドラマ「逃げ恥」のヒットなどで、結婚に関して「恋愛結婚」とは異なる価値観が、若者に浸透しつつあるのです。恋愛結婚至上主義が崩壊しつつあるということです。

今、大人世代に必要とされているのは、苦労はあっても家族を持ち共に生きる、子育てすることの積極的な意義や素晴らしさについて身をもって伝えること。地域社会の大人が行政と協力して若者の背中を後押しすることでしょう。

日本の伝統的な「お見合い結婚」のあり方を再評価し、結婚を求めつつも結婚できないでいる若者たちに、結婚支援の新たなセーフティネットを官民共同で提供することです。(N)

官民共同で若者への結婚支援を

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