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「夫婦同姓」を守るための国民世論の啓発を

「選択的別姓」容認が4割超える

内閣府が行った世論調査(2月10日発表)によれば、4割を超える人が「選択的夫婦別姓」の導入を容認しており、前回を7%上回ったことが分かりました。

ただ、「導入しなくてよい」29.3%、「同じ姓を名乗るべきだが、旧姓の通称使用を認める」が24.4%あり、選択的夫婦別姓の導入には今も過半数53.7%が反対しています。

最高裁は、夫婦別姓を禁じた民法の規定を合憲とする初の判断を2015年12月に示しています。「姓」は個人の人格権の一部をなしており、姓の変更を強制することは人格権の侵害に当たるとの訴えに対し、最高裁は「家族は社会の基礎的な集団単位で、家族の呼称を一つに定めることには合理性が認められる」と認定。同姓による不利益は、通称の使用が広まることで一定程度緩和され得るとして、民法の夫婦別姓の禁止規定に合憲の判断を示しました。

最高裁が、「姓」は個人の人格権の一部であるとの主張を退けて、姓は「個人の呼称」ではなく「家族の呼称」として、家族を重視する判断を示したことは画期的です。

ところで、最高裁が民法による夫婦同姓の規定を合憲としたこと受けて、今年1月、今度は戸籍法を持ち出して、夫婦別姓の制度がないのは法の下の平等を保障した憲法に違反しているとの訴えがなされました。

これは、①日本人同士の結婚②日本人と外国人の結婚③日本人同士の離婚④日本人と外国人との離婚のうち、①以外は同姓か別姓が選択できるのに対して、①だけできないのは法の下に平等に反するという主張です。しかし離婚の際、別姓を選択できるのは当然で、②も特殊な事例と言え、この訴えは無理筋というものでしょう。

民法の規定を合憲とした最高裁は、同時に「この問題は社会の受け止め方によるので、国会で論ぜられ、判断されるべき」とも述べています。国民世論の動向を踏まえて、立法府で判断すべきとの指摘です。

今月13日、上川陽子法相は閣議後の記者会見で、「選択的夫婦別姓」容認が4割超えたものの、「国民の意見が大きく分かれていることも事実」として、選択的夫婦別姓の導入に慎重な姿勢を示しました。

世界人権宣言にも規定されているように、社会の基礎単位は「個人」ではなく「家族」です。わが国の憲法にも「家族保護条項」の導入をはかるべく国民的運動を展開するとともに、「夫婦同姓」を守るための国民世論の啓発が求められています。

(N)

「夫婦同姓」を守るための国民世論の啓発を

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