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ノースコリア・ファイル〜激動・北朝鮮の最新情報〜 Vol.23

「今世紀で最悪の干ばつ」発生も、市民への関心低い正恩氏

〜北朝鮮が食糧事情を公開〜

text by 東正彦


北朝鮮の食糧事情が悪化している。とりわけ、当の北朝鮮が「今世紀で最悪の干ばつ」が発生したとし、自ら数字を公表している点が興味深い。朝鮮労働党の機関紙・労働新聞(電子版)は5月17日、1月から5月までの全国の降水量が例年の約40%にとどまり、干ばつで田植えなどの作業に影響が広がっていると報じた。

人口の4割が栄養不足に陥る危険も

同紙は、「この期間の降水量としては1917年以降、最も少なかった」とも伝えている。小麦やトウモロコシ、ジャガイモ、大豆などに被害が出ており、住民に対して徹底した増産を呼びかけたという。

そもそも、食料不安はこの記録的「日照り」の前からあった。国連食糧農業機関(FAO)と国連世界食糧計画(WFP)によれば、北朝鮮の昨年の農作物生産量が過去10年間で最悪水準になっているという。食料不足により「飢餓の危機」に陥る恐れがあるとも指摘している。

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「今世紀で最悪の干ばつ」発生も、市民への関心低い正恩氏

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