「韓」察眼～現地日本人記者が見つめる韓国社会〜　Vol.39

韓国でスマホ発のモバイル決済が盛んに

～日本のキャッシュレス化を支援する動きも～

text by 早田亮

キャッシュレス化が進む韓国で、スマートフォンを活用した「モバイル決済」が急成長している。利用件数はここ2年間で4倍以上、利用額はおよそ5倍に増えた。モバイル決済を利用できる領域は通販などオンラインにとどまらず、コンビニやスーパー、カフェなどオフラインにも拡大しつつある。

モバイル決済の利用者も右肩上がり　政府も小規模事業者支援でサービス導入

世界銀行や国際決済銀行（BIS）によると、韓国のキャッシュレス比率はすでに9割以上に達している。韓国でキャッシュレス化が急速に進んだ背景には、97年のアジア通貨危機の影響で景気が悪化したことがある。政府は年間のクレジットカード利用額の20％分を所得控除するなど、消費活性化を目的にクレジットカードの利用を促進した。実店舗での脱税防止という狙いもあった。