「変革や成果」顕現させる年に
2025年|「変革や成果」顕現させる年に
新しい年、2025年(令和7年)を迎えた。今年はどんな一年になるか、共に展望してみたい。ちなみに、昨年1月号の本欄では、「『霊性の啓発』進める一年に」と題し、「霊性」に焦点を当てた。UPF創設者である文鮮明総裁のメッセージなどを紹介したが、「霊性の啓発」は不変のテーマである(2024年1月号のコラムはこちら)。
2025年は「変革や成果を象徴する重要な年」?
さて、2025年の干支は「乙巳(きのとみ)」、「它年(へびどし)」である。ヘビは脱皮をする習性から、「変化や成長の象徴」とされており、今年は「変革や成果を象徴する重要な年」とも指摘される。日本では7月に参議院選挙を控え、「衆参ダブル(同日)選挙」の可能性も囁(ささや)かれる(今夏には東京都議会議員選挙も)。
また今年は、日韓国交正常化から60周年と、日韓関係にとっても節目の年となる。しかし韓国内では、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の「非常戒厳」宣布により大混乱を来し、先行きが極めて不透明な状況だ。米国では、第2次トランプ政権が出帆するが、次期大統領はウクライナ戦争をどのように収拾するのか、混迷を深める中東情勢は?
2025年も国際情勢の大きな「変化」に目が離せない。
解散命令請求裁判が決着?
一方、国内では、安倍晋三元首相を暗殺した山上徹也被告の初公判が年内に始まるのか、関心が集まる。加えて、UPFの友好団体である世界平和統一家庭連合(家庭連合=旧統一教会)の解散命令請求裁判も進行中だ。2024年度内には東京地裁で1審の判断が言い渡されるとみられる。どのような判断であろうと、原告・被告どちらかが必ず控訴すると予想され、争いの場は東京高裁に移る。2審の判断は早ければ年内、もしくは年度内(26年3月)までに出される可能性がある。
解散命令は宗教法人に対する「死刑宣告」を意味する。もし東京高裁で「解散命令」の判断が下された場合には、宗教法人への清算手続きが開始される。家庭連合に対する解散命令に関して、UPF-Japanの魚谷俊輔事務総長は、2024年11月に出版された『反証 櫻井義秀・中西尋子著「統一教会」』(世界日報社)の中で、マスメディアや家庭連合に反対する識者らが「問題を矮小(わいしょう)化させる発言を繰り返してきた」が、「これらは嘘である」と明言。「解散命令」や「清算手続き」に関して、非常に重要な内容を含むため、少々長くなるが引用する。
「法人が解散されれば法人として所有する財産の所有権をすべて失い、礼拝堂を含む宗教施設は宗教目的では使えなくなる。仮に『宗教法人』の解散後、信徒たちが新たに別の団体をつくり宗教活動をしたいと思っても、鉛筆一本、紙一枚もない、文字通りゼロの状態から出発しなければならないのである。これ自体が信教の自由に対する重大な侵害である。『痛くも痒(かゆ)くもない』的な言説は、宗教法人解散の重大性から国民の目を逸らし、『それはいくらなんでもやり過ぎだ』という国民世論が起こるのを防ぐための、統一教会反対派の戦略に基づくものなのである」
このような「解散命令」という深刻な判断が、2025年(度)中に下される‘‘可能性がある’’のだ。家庭連合の信徒や友好団体の会員はもちろん、他の宗教団体にとっても無関心ではいられない状況だ。一個人がこの裁判に直接影響を与えられるわけではないが、2024年6月号の本欄でも主張したように、「裁判闘争においては、法理面の戦いだけでなく、支援者、理解者を増やす世論喚起の戦いもあわせて重要となる」(2024年6月号「日本の裁判に理解深め、世論の重要性認識を」コラムはこちら)。
「各人には神に命じられた使命がある」「社会的に参与せよ」
作家の佐藤優氏がかつて、「尊敬するチェコのプロテスタント神学者」として、ヨゼフ・ルクル・フロマートカ(1889〜1969)の言葉を紹介していた。佐藤氏によると、「フロマートカは無神論を掲げる社会主義化した祖国チェコスロバキアのキリスト教徒に『フィールドはこの世界である』と強調し、キリスト教徒は教会内部や信者間の交流に閉じ籠もらずに社会的に参与せよと訴えた」という(産経新聞2023年3月12日付)。フロマートカは「各人には神に命じられた召命(使命)がある」と訴え、現在の家庭連合の会員にも通じる、次のようなメッセージを述べている。
「私たちが言いたいのはただ、何も口実にはならないこと、自分が置かれた境遇を言いわけにしてはならないということ(ルカ福音書9章59、60節)、そして自らの恵みによって私たちに呼びかけた主は、普通ならば使命を果たすことが困難に思われるような場所や状況でも私たちの使命の絶対性を授けてくれることである(マタイ福音書10章16〜20節)」
かのイエス・キリストは「蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい」(マタイによる福音書10章16節)と語り、ニーチェは「脱皮できない蛇は滅びる」と述べた。私たちは2025年を「変革や成果」を顕現させる1年にできるだろうか。この重要な1年、私たち1人ひとりの主体的な行動やあり方が問われている。