#127 首相、ウクライナを電撃訪問
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#119
やまおか・ただし=政治ジャーナリスト
カンボジアの首都プノンペンを皮切りに12日から東南アジア諸国を歴訪した岸田文雄首相は、日米韓、日米、日韓などの首脳会談をこなした。
インドネシアのバリ島に移動した15日には、G20サミットが開かれ、岸田首相はロシアのラブロフ外相を前にウクライナ侵略について「法の支配に基づく国際秩序に対する挑戦だ」と非難、オンラインで参加したウクライナのゼレンスキー大統領に対して「連帯」を表明した。17日にはタイの首都バンコクで3年ぶりとなる習近平国家主席との日中首脳会談を行った。
「首相は、習近平とのサシの会談でも尖閣諸島問題や台湾情勢への懸念を伝えるなどなかなか勇気のある発言をした。数々の首脳会談をこなし外交の岸田ここにあり、を示すことができたとご満悦のようだった」と政界関係者は評価した。ところが、19日に帰国した首相を待ち構えていたのは、野党からの攻勢が激化していた寺田稔総務相の責任問題への対処だった。翌20日は日曜日だったが、公邸で松野博一官房長官や嶋田隆首相秘書官らと協議し、週明けの国会審議の停滞を恐れて更迭することを決めた。
首相にとって寺田氏は、岸田派所属で同じ広島県選出というだけではない。岸田派の原点となる「宏池会」設立者の池田勇人元首相の義孫にあたることなどから岸田首相は寺田氏を重用し続けた。昨年10月の政権発足後には首相補佐官として核軍縮担当を任せた。