#31 終戦とキリスト教

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いまさら聞けない「日本基督教史」

#31 終戦とキリスト教

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UPF-Japan事務総長 | 魚谷俊輔

1964年生まれ。千葉県出身。東京工業大学工学部化学工学科卒。95年に米国統一神学大学院(UTS)神学課程を卒業。2000年に日本に世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)が創設されるにともない、事務次長に就任。05年より、国連NGO・UPF-Japanの事務次長、17年8月より同事務総長。

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さて、戦後GHQはキリスト教の伝道を全面的に支援し、多くの宣教師が来日しました。そして1951年に宗教法人法が制定されます。この宗教法人法の目的は、「宗教活動をしやすくするなど、信教の自由を尊重する目的で、宗教団体に法人格を与えることに関する法律」とされております。基本的には戦前あまりにも宗教を弾圧しすぎたので、今度は信教の自由を尊重しようということで、戦後の法律が作られました。ですから、1945年以降の戦後の日本というのは、キリスト教の拡大にとっては歴史上かつてないほどの恵まれた環境であって、それが実に70年以上にわたって長く続いています。

ということは、戦後キリスト教が爆発的に伸びてもおかしくないような恵まれた環境が非常に長い間続いたことになります。では実際にどうだったかというと、1950年代にはさすがに信者数も大きな伸びを示しましたが、1960年代以降はふたたび停滞し始めて、いまだに人口の1%を超えていないというのがキリスト教の現状です。

これが戦後日本のキリスト教人口の推移を表したグラフです。カトリック、プロテスタント、オーソドックスのすべてを合わせた数です。1948年には30数万人で人口の0.42%でした。1950年代には伸びました。0.7%になるまでは順調に伸びたのですが、それ以降、0.8%程度で伸び悩むようになります。2008年まではそれでも微増と言えたのですが、それ以降は数の上でも、人口比の上でも減少局面に入ってしまいました。2008年からは日本の人口自体が減っていますので、数が減るのはいたし方ないとしても、割合まで減っているというのは深刻です。つまり、戦後の日本のキリスト教は、伸びるかなと思ったら伸びなかった、という結論になるのです。

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