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「韓」察眼~現地日本人記者が見つめる韓国社会〜 Vol.122

韓国でストライキ続発、対決姿勢深める労組

貨物ストでは政府が職場復帰命令を初めて発動

text by 早田亮

韓国でストライキが続発している。最も大きな被害をもたらしているのが、トラック運転手が所属する全国民主労働組合総連盟(民主労総)・貨物連帯によるストライキだ。

セメント出荷量が9割減

貨物連帯は、12月末で廃止予定の「安全運賃制」の恒久化や、適用車種・品目の拡大などを求め、11月24日からの無期限の全面ストを実施している。安全運賃制はトラック運転手の適正賃金を保障して過労や過積載、スピードの出し過ぎを防止する趣旨で導入された。

ストの影響で、セメントの出荷量は通常に比べて90〜95%ほど減少した。セメントを主原料とする生コンクリートの生産も停止し、1日当たりの被害額は平均約500億ウォンに上るとみられる。

生コンが必要な基礎工事を進める建設現場も、首都圏の約20カ所の現場で資材調達に支障が発生。長期化して工期が大幅にずれ込みそうだ。

26日には、釜山市で非組合員が運行していた貨物車2台のフロントガラスに鉄玉とみられるものが撃たれ、運転手1人がけがをするなど抗議活動も過激化している。

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韓国でストライキ続発、対決姿勢深める労組

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