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#157 韓国メディア、石破新首相のハト派姿勢を歓迎 〜 文化日報は「4代目クリスチャン」に注目 〜

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「韓」察眼〜現地日本人記者が見つめる韓国社会〜

韓国メディア、石破新首相のハト派姿勢を歓迎〜 文化日報は「4代目クリスチャン」に注目 〜

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text by 早田亮
そうだ・りょう=在韓ジャーナリスト

韓国メディアは9月27日、自民党総裁選で石破茂氏が選出されたことを一斉に速報で伝えた。聯合ニュースは「日本首相に韓日歴史認識のハト派が」との見出しで、石破氏の経歴を詳しく紹介した。

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良好な日韓関係の持続に期待

保守系最大手紙の朝鮮日報は、石破氏が2017年に慰安婦問題に対して「韓国が納得するまで謝罪しなければならない」と言及したことを報道し、良好な日韓関係の持続を期待した。革新系のハンギョレは「歴史問題に対して比較的前向きな人物だ」と伝える一方、自民党政治家として竹島問題など日本政府の基本的な立場から抜け出すことは難しいだろうとした。

韓国メディアによると、韓国大統領府は石破氏の選出を受け、「韓日関係の肯定的な流れを続けるために協力し続けていく」との意向を表明。大統領府の高位関係者も「新たに発足する日本の内閣と緊密に疎通する」と述べ、未来志向的な関係発展のために努めていく方針を示したという。

「クリスチャン首相」に注目

保守系の文化日報は、石破氏が日本に0.4%しかいないクリスチャンかつ4代目であることに注目した。

文化日報が、石破氏がこれまでハト派的な歴史認識発言を行ってきた背景には、「日本の過去の歴史を継続的に反省し、謝罪してきた日本国内のキリスト教会の告白が影響を及ぼした」と分析。さらに「日本政界では親韓派として知られている穏やかなハト派に分類されており、『教養がある』『合理的だ』という評価を受けているため、日韓関係の改善にも役割を果たすという観測も出ている」と好意的に論評した。また、「極右性向の強い政治家」(文化日報)である高市早苗氏を破った点を高く評価。5度目の挑戦で首相の座を射止めた石破氏は「日本では『人間勝利の標本』となっている」とも述べた。

筆者の周りでも石破氏がクリスチャンであることに好意を抱いている韓国人も少なくない。

クリスチャントゥデイは、石破氏について「信仰的な良心から靖国神社への参拝を行っていない」と紹介。また、「神様が存在しないという恐ろしい考えを持ったことがない」という石破氏の発言にも触れている。

石破首相は10月9〜11日、ラオスで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席。初顔合わせとなった尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との会談では、来年の国交正常化60年を見据え、「シャトル外交」も活用しながら緊密に連携していく考えで一致した。
(そうだ・りょう=在韓ジャーナリスト)

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