#2 お釈迦様の幼少期と真理探究の出発

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いまさら聞けない「仏教の基礎知識」

#2 お釈迦様の幼少期と真理探究の出発

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UPF-Japan事務総長 | 魚谷俊輔

1964年生まれ。千葉県出身。東京工業大学工学部化学工学科卒。95年に米国統一神学大学院(UTS)神学課程を卒業。2000年に日本に世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)が創設されるにともない、事務次長に就任。05年より、国連NGO・UPF-Japanの事務次長、17年8月より同事務総長。

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お釈迦様は、インド北部にあるサーキャ族の首都カピラヴァストゥというところで、第一王子として誕生したと言われています。ですから、小さな国とはいえ、王宮の王子様だったわけです。しかし、生まれて7日目にお母さんが亡くなってしまいます。母がいなかったので、小さい頃は叔母さんに育てられたそうです。それもあってか、お釈迦様は小さいころから人生をはかなんで、けっこう厭世的な子供だったと言われています。第一王子でありますから、王位を継がなければならないのに、お釈迦様は子供のころからどこかこの世離れしたところがあったので、国王であるお父さんは、お釈迦様が出家してしまうのをなんとか防ごうとして、王宮で飲めや歌えの大騒ぎをして楽しくしながら、なんとか王位を継ぐように仕向けたということです。そして、16歳でヤソーダラという名前の美しい娘と結婚させます。そして、29歳のときには子供も生まれています。

しかし、彼にはもともと宗教的な感性があったのでしょう。「四門出遊」という非常に有名な伝説があります。王宮に四つの門があって、遊びに出かけなさいと言われたので、東の門から出たら、老人がいたわけです。それを見て、「ああ、誰しも老いるんだ」と思って絶望的な思いになったというわけです。今度は南から出たら、病人がいました。それを見て、「ああ、みんな病気になるんだ」と思って絶望的な思いになります。西から出たら、誰かが死んでいました。「ああ、みんな死ぬんだ」と思って、また絶望的な思いになります。そして北から出たら、立派なお坊さんがいて、「ああ、この人は素晴らしい、自分も出家したい」と思うようになったという話です。お父さんとしてはお釈迦様に王位を継いでほしかったのでありますが、お釈迦様の心の中には、「出家したい、出家したい」という思いが高じていくわけです。

そして、ついに29歳のときに白馬にまたがって、カビラ城を出てしまいます。決意としては、「最高の真理をつかむまでは城に戻らない」という覚悟をして、反対を押し切って出家しました。ちょうどこの時は、子供が生まれたばかりでした。ですから、愛する妻もいて、生まれたばかりの子供もいる状態で、王子として暮らしていた城を出て、真理探究の道に出たということになります。

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