いまさら聞けない「神道の基礎知識」

いまさら聞けない「神道の基礎知識」 第5回

祭とはなにか?

text by 魚谷俊輔


神道や神社の根本は「祭」であると言えます。「祭」の語源は「奉る(捧げる)」という言葉と関係が深いと言われます。神に食事や酒など(神饌)を捧げ、それを下ろしてきて共食共飲することにより、神と人、人と人を結ぶ行為が「祭」です。

「まつり」という言葉の起源としては、「まつろう」=神の霊威に服従し、奉仕するという意味と、「待つ」=神の訪れを持ち、神託を乞うという意味など、諸説あります。祭は、日常的な人間の意識を無の状態にし、そこに神霊の力を取り込んで、心身ともに別の新しい人間に生まれ変わる行為であるといえます。こうした神祭を行うための場所が神社なのです。

祭祀の分類に関してですが、以下の4つに分けることが可能です。

①宮中祭祀:天皇に関する祭で、即位に伴う大嘗祭から新嘗祭、神嘗祭など。以下に述べる神宮祭祀とも関係が深い祭祀です。

今上天皇の大嘗祭(1990年11月22日)

②神宮祭祀:皇室の祖神・天照大御神を祀る伊勢神宮に関する祭祀。

伊勢神宮の式年遷宮

③神社祭祀:全国の神社で行われる。神社本庁が定めた規定によって大祭、中祭、小祭に区分される。

香取神宮の御田植祭

④家庭祭祀:各家庭で行われるさまざまな祭のこと。主として神棚や祖霊舎を中心に行われる。

一般家庭における神棚

(魚谷俊輔/UPF-Japan事務総長)

祭とはなにか?

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