#11 天地の始まりと神々

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いまさら聞けない「神道の基礎知識」

#11 天地の始まりと神々

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UPF-Japan事務総長 | 魚谷俊輔

1964年生まれ。千葉県出身。東京工業大学工学部化学工学科卒。95年に米国統一神学大学院(UTS)神学課程を卒業。2000年に日本に世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)が創設されるにともない、事務次長に就任。05年より、国連NGO・UPF-Japanの事務次長、17年8月より同事務総長。

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今回は記紀に記された神話に基づき、古代日本人が天地の始まりと神々についてどのように考え、自分たちの住む世界をどのようにとらえていたのかを解説します。

古代の日本人は、自分たちの暮らす島々を「葦原中国(あしはらのなかつくに)」と呼んでいました。「豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)」と呼ぶこともあります。そしてその上には「高天原(たかまのはら)」という天空の神々の世界があると考えていました。そして地下には「黄泉国(よみのくに)」と呼ばれる死者の世界があると考えていました。このように、世界を三層構造であるととらえていたのです。

記紀の神話には天地開闢の様子が描かれており、それには五柱の別天津神(ことあまつかみ)が関わったとされています。以下の神々がそれに当たりますが、そのうち最初の三柱を「造化三神」と言います。

①天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ):至高の神
②高御産巣日神(たかみむすびのかみ):創造、征服、統治の神
③神産巣日神(かみむすびのかみ)生産・生成の「創造」の神
④宇摩志阿斯訶備比古遅神(うまし あしか びひ こぢ のかみ)活力の神
⑤天之常立神(あめのとこたちのかみ)天の神

その後「神世七代」の時代が訪れ、神々が生まれては消えるということを繰り返すのですが、最初の二代は男女の性別のない神であり、続いて男女二神が対になった五代の「双つ神」が続きます。そして最後に誕生したのが、伊邪那岐神と伊邪那美神です。このように、記紀の神話における神々は、時代を経るごとに抽象的な神から具体的な姿を持った神へと変化していることが分かります。このように、一神教と多神教という違いこそあれ、記紀の神話の中には旧約聖書の創世記に匹敵するようなコスモロジーがあるのです。

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