#10 記紀の神話④「天岩戸」

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いまさら聞けない「神道の基礎知識」

#10 記紀の神話④「天岩戸」

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UPF-Japan事務総長 | 魚谷俊輔

1964年生まれ。千葉県出身。東京工業大学工学部化学工学科卒。95年に米国統一神学大学院(UTS)神学課程を卒業。2000年に日本に世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)が創設されるにともない、事務次長に就任。05年より、国連NGO・UPF-Japanの事務次長、17年8月より同事務総長。

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第7回から、記紀に記された主な神話の紹介を始めました。先回は「三貴子の誕生」までを紹介しましたが、今回は「天岩戸(あまのいわと)」です。本物の神話にはかなりグロテスクな描写もあるのですが、そこは省いて童話風にお伝えします。

高天原にはたくさんの神様たちが暮らしていましたが、その一人が天照(あまてらす)という太陽の神様です。天照には須佐之男(すさのお)という弟がいました。この須佐之男はたいそう暴れん坊の神様で、いつもほかの神様たちを困らせていました。「また須佐之男がわしの家を壊したぞ」「天照様、どうか須佐之男を追い出してください」

しかし天照はいつも須佐之男のことをかばってあげるのでした。「須佐之男にはきっと何か考えがあるのです。許してあげましょう」。天照が優しいので、須佐之男はますます調子に乗りました。そうしてある日のこと、天照たちが機織りをしている小屋までも、須佐之男がメチャクチャに壊してしまい、そのショックで機織りの娘が死んでしまいました。

これには天照も我慢が出来なくなり、天岩戸という洞窟に入ると、入り口を大きな岩で塞いでしまいました。そして、岩戸の中に閉じこもったきり、外へ出て来なくなってしまったのです。「天照様、出てきてください」。他の神様がどれだけ呼んでも、天照は知らんぷりをして、返事をしてくれません。

さて、太陽の神様である天照が隠れてしまったせいで、外はすっかり真っ暗になってしまいました。「こんなに暗くては何にもできはしない」「ずっと暗いままでは、どんな悪い者がやってくるか分からない」神様たちがすっかり困っていると、知恵の神様が言いました。「そうだ、わしにいい考えがある」

しばらくすると、岩戸の外から賑やかな音楽が聞こえてきました。神様たちの楽しそうな笑い声もします。「あら? 外は暗いはずなのに、いったいどうしたのかしら?」気になった天照は、ほんの少し戸を開けてみました。すると、たくさんの神様が集まって賑やかに歌ったり踊ったりしています。「まあ、あんなに楽しそうに何をしているのかしら?」

すると、ある神様が答えました。「あなた様より偉い神様が現われたので、みんなそれを喜んでいるのです」「まあ、私より偉い神様ですって?」びっくりした天照は、思わず岩戸から顔を出します。そのとき、外にいる神様が天照にさっと鏡を出しました。「まあ、この方がその偉い神様なのね」。鏡に映った自分を偉い神様だと思った天照は、その顔をもっとよく見ようと、もう少し扉を開けました。

扉を開けた天照を、隠れていた力持ちの神様が引きずり出しました。天照が外に出ると、みんなは大喜び。「ああよかった。天照様、もう閉じこもったりしないでください」。こうして、外は元通り明るく輝きだしました。須佐之男は罰として高天原を追い出されてしまったということです。

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